ハウス・ジャック・ビルト
Jun 16, 2019(SAW-SEKI)
まさにカオス! これはアカンやつじゃん!
◎感想文
全国的にも上映館が極度に少なく、中部圏内ではたった1館しか上映されておりませんでした。
もう、目を覆いたくなるという表現がピッタリの映画です。
サイコパスの連続殺人鬼が、地獄への先導者に自分の半生を語りだすという、ちょっと珍しい作風。
ラストは主人公が地獄へと堕ちていくのですが、ノンフィクションっぽさが消え、チンケな演出に思われるのですが、私の個人的な見解では、警察が突入したとき、彼は撃たれたのだと思います。
そこから彼が地獄へ堕ちていく様を観ていたのではないでしょうか?
かなりグロいシーンもありますが、ラスト・エピソードをご自分で解釈なさってみてはどうでしょう?
意外に(?)も、キャストが豪華でビックリしました。
◎背景
カンヌ映画祭で途中退場者が続出したという異例作品。
特に女性は嫌悪感を抱くのではないでしょうか? シリアル・キラー、サイコパス、女性蔑視、動物虐待等々、このご時世ではタブーとされるエピソードを尻込みすることなく堂々と描いたことに脱帽です。
◎STAFF
監督は、『奇跡の海』、『ダンス・イン・ザ・ダーク』で常に賛否を二分する作品を世に送ってきたラース・フォン・トリアー。
◎CAST
『ランブル・フィッシュ』、『アウトサイダー』など、不良役でスターダムに駆け上がったマット・ディロン。
『ヒトラー~最後の12日間~』でのヒトラー役で高評価を受けたブルーノ・ガンツ。
チョイ役でしたが、『キル・ビル』シリーズのユア・サーマン。
こちらもチョイ役でしたが、『アンダー・ザ・シルバーレイク』のライリー・キーオ。
◎STORY
主人公が地獄に堕ちる過程で、五つの出来事を先導者にランダムに紹介するという回顧録的な内容。
第1の出来事。雪道で車が故障した女性。そこへ偶然通りかかったジャック。彼女はジャックへ助けを求めるのですが、あまりの横柄な彼女の態度に我慢ならず、ジャックはジャッキで彼女の顔面を強打。
第2の出来事。すれ違った女性の跡をつけ、身分をごまかし彼女の家に入り込み、殺害。すぐに逃げればいいものを潔癖症で完璧主義の彼は、部屋の隅々を磨き出す。そこに警察がやってくるが奇跡的に逃げ切る。
こうして数々の殺人を犯していくジャックだが、彼は遺体を自分の冷凍庫に保管し、想像を絶する行為を行い……。
やがて、ジャックは目的を達することだけに執着し、警察の追跡など気にもせず大胆に行動するのだが……。